世界3大バブルの1つ「ミシシッピバブル」をわかりやすく解説【バブル物語第1話】

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さかのぼること約300年…

これは18世紀フランスでのお話

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18世紀のフランス・・・太陽王と呼ばれたルイ14世による絶対王政の時代。

この時代におけるフランスの芸術&文化活動の象徴であるベルサイユ宮殿の建築を始め、ルイ14世を始めとする王族による浪費(ろうひ)、ヨーロッパの他国との戦争、貴族(きぞく)の年金により、国民総生産の1.5〜2倍という大きすぎる借金を抱え、フランスの財政(ざいせい)は危機的状況(ききてきじょうきょう)に陥っていた

国民が食べるものにも困るような悲惨な日常を送る中

王の側近や摂政では、賄賂(わいろ)や不正が日常的に行われ、政府は完全に腐敗しきっていた

このような悲惨な状況の中、フランスでは後に世界3大バブルと称されるミシシッピバブルという名の悲劇が起こることになる

※絶対王政(せったいおうせい):王様が最強だから何でもいう事聞いてね!!という政治の形のこと

※摂政(せっしょう):王の代わりに政務を行うとってもえらい役職のこと

世界3大バブルの一つ「ミシシッピバブル」編

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本編前にちょっとだけ登場人物紹介

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登場人物その1:ジョン・ロー

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はじめましてジョン・ローです。

スコットランドで生まれ、(金細工職人を兼ねた)金融業者として成功していた父親が持つ会計事務所で、14歳の時から働き始め、死に物狂いで働きながら金融や銀行業について学んでいました。

17歳になった時、完全に仕事に飽きてオランダ、ドイツ、ハンガリー、イタリア、フランスを放浪しながら、確率論を駆使するプロのカリスマギャンブラーとして生活してました。

26歳の時に、殺人事件の濡れ衣を着せられて、色々踏んだり蹴ったりだったので、全てをリセットしたくて本格的に海外へと逃亡しました。

ただ、女好きなこともあって、どうしても有名になってモテたかったので、それからまたスコットランドに戻って、「土地銀行計画」という小難しい論文を発表。これは土地銀行が国土全体の価値総額(かちそうがく)を限度に銀行券(紙幣)を発行するという計画だったんです。これをスコットランド議会で発表したんですが、見事にダメ出しされちゃいました。てへぺろ

そんなこんなで、また人生嫌になっちゃったので、各国の財務の勉強&ギャンブルのために海外放浪の旅に出ました。

登場人物その2:ルイ14世

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こんにちわ。わたしルイ14世って言います。自分で言うのもアレなんですが「中世以後の国家元首として最長の在位期間を持つ人物」としてギネス認定されている、凄い王様なんです。

太陽王と呼ばれるわ芸術&食にもうるさいわで、とにかくわたし凄いんです。フォークを流行らしたり、宮廷舞踏会(きゅうていぶとうかい)を初めて開いたのもわたしなんですよ。

長い間いろいろな国と戦ったり、ベルサイユ宮殿(きゅうでん)を作ったり・・・とにかくいろいろすごいことをやっちゃいました。人のお金を使うのが大好きです!

実はこのルイ14世・・・お金使いが荒すぎて・・・

実はこの太陽王とまで呼ばれたルイ14世・・・とんでもない浪費家(ろうひか)だったんだぺぺ。

毎日のご飯を300人の宮廷料理人に大量に作らせて、大半を食べずに残すのは当たり前・・・

  • 世界中の芸術作品を国家予算で集める
  • 国内最高の造園家、画家、家具職人を集め、ベルサイユ宮殿を始めとする多くの宮殿を作った※1
  • 侵略戦争をやってやってやりまくった※2

※1:ベルサイユ宮殿の総工事費は700万リーブル。現在価値にすると約400億円。東京オリンピックの総工事費に比べると安いな・・・と思ったかもしれないけど、当時国民は、食べるのにも困っていたくらいなので、相当すごいことなんだぺぺ!

※2:アメリカ新大陸やインドにおける植民地戦争を経て第2次英仏百年戦争、南ネーデルラント戦争、オランダ戦争、ファルツ戦争、スペイン継承戦争・・・などなど、とにかく他国を侵略しまくったんだぺぺ。

・・・などなど、とにかく贅沢でお金使いが荒いことで評判の王様だったんだぺぺ!

自分たちフランス国民は満足に食事もできないのに、宮廷(きゅうてい)では毎日贅沢の限りが尽くされている・・・

こんな状況がルイ14世がフランスを治めた50年間もの間も続いてしまったので、フランス国民は内心かなり怒っていたんだぺぺ・・・

ルイ14世が死んでルイ15世が王に・・・

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タイミングが悪いことにルイ14世が死んでしまったのは、お金を使いまくるだけ使いまくってフランスの財政が破たん寸前の時だったんだぺぺ・・・

ルイ14世が死んでからは、使うお金が多少減ったとはいえ、フランスの国家財政(こっかざいせい)の状態はひどかったんだぺぺ。年間の歳入(さいにゅう:国に税金として入ってくるお金)は1億4500万リーブル、一方で毎年の歳出(さいしゅつ:国が使うお金)は1億4200万リーブル。

ルイ14世の贅沢グセが高級役人から下級役人に至るまで贅沢や腐敗が蔓延していて、借金の残高は30億リーブルと歳入の20倍に達してたんだぺぺ・・・

毎年300万リーブルしかお金が余らないのに、そこからさらに借金30億分の利息も払わないといけない状態だったぺぺ・・・

(当時のお金は今のようなお札と違い、金貨と銀貨だったので、お金が無いなら税金を取り立てるか、金と銀をどこかで発掘しなければいけなかったんだぺぺ・・・なので実際の金や銀がないと何もできなかったんだぺぺ。)

一部の高級役人の中には、「もう借りたお金は返せませんし、返しませーん」と正式に国家破綻(こっかはたん)を宣言したほうが良いという人も出てきてたみたいだぺぺ。

どうしてもお金がない・・・

国民にこれでもかってくらいの重税(じゅうぜい)を課すだけではお金が足りない・・・

ということで、ルイ15世や摂政は悩みぬいた末、こんなことをやってみたんだぺぺ!

国民の持つ、金貨や銀貨の純度を薄めた王様と政府

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ルイ15世と摂政は、国民から当時の通貨であった金貨などを無理やりに回収して、金と銀の成分を25%削って薄めた状態の「新しい硬貨(こうか)」と交換したんだぺぺ!

みんなの硬貨から「25%薄めることで手に入れた金と銀」を使って、また新しい金貨や銀貨を作って、それで贅沢をしたり戦争するための費用にしたんだぺぺ。

硬貨を薄める以外にも、隠し財産を持っている人を宮廷にチクれば、彼らから財産を取り上げ&罰金(ばっきん)を課して、そのうちの20%をご褒美(ほうび)としてチクった人に渡すという、チクリをオススメする制度までできたんだぺぺ!

(とはいっても一般国民に隠し財産なんて言うものはなく、実際は不正や汚職が蔓延(まんえん)していた宮廷&摂政の役人をターゲットにした制度だったみたいだぺぺ。あまりに汚職がひどかったため、凶悪犯を取り扱うナンバーワン刑務所のバスティーユ監獄はすぐに囚人を収容しきれなくなったんだぺぺ・・・)

このチクリオススメ制度の導入で、なんと1億8000万リーブルもの大金が集まったけど、国債の返済(フランスの借金の返済)にあてられたのはたったの8000万リーブル。残りの1億リーブル宮廷内の実力者のお財布に直行してしまってたんだぺぺ・・・

もうどうしようもないぺぺね・・・

とあーだのこーだの、国民が重税(じゅうぜい)のせいで食べるものすら無いときに、硬貨を薄めることを何回も行ったため・・・

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ついに国民がブチ切れちゃったんだぺぺ!

ルイ14世が死んで5才で国王になったルイ15世がフランスの舵取り(かじとり)をするタイミングから、国民が露骨(ろこつ)に怒りをあらわにするようになったんだぺぺ・・・

怒ったみんなは、暴君だの偽善者だの略奪者だので国王の像が叩き壊したり、街で暴れたりしたんだぺぺ!

そんなこんなでルイ15世や摂政は困り果てていたんだぺぺ・・・

そんなときに現れたのが・・・ouritu_01bb

ジョン・ローだったんだぺぺ!

ジョン・ローはずば抜けて頭がよく、優秀な人だったんだぺぺ!

ローはお父さんが金融業を営んでおり、14歳の頃からお父さんの会社で働いていたんだぺぺ!17歳に母国のスコットランドを出て、ヨーロッパを中心に各国をプロのギャンブラーとして放浪しながら、貨幣(かへい)や銀行制度のあり方に関する論文まで発表してたんだぺぺ。

どうしても有名になりたかったローは、こんなフランスの状態を見ては宮廷(きゅうてい)に乗り込み

「硬貨だけで紙幣を使わない国は商業国として極めて不適切である」

と進言したんだぺぺ。

当時、世界中がお金として金貨や銀貨を使うのが当たり前だった中、今のように紙幣をお金として使うことをおすすめしたのが、実はジョン・ローが世界で初めてだったんだぺぺ!

こんな「突然現れたナゾの男」の話をまじめに聞かなければならないほど、ルイ15世や摂政はお金がなくて混乱してたんだぺぺ。

ローは、これを有名になるチャンスだと思って、過去に自分が書いた金融や貿易の論文を急いでフランス語に翻訳(ほんやく)、財政家(ざいせいか)として名を売ろうとしたんだぺぺ。

その結果、ジョン・ローはすぐにフランスで有名人となり、ルイ15世と仲良くなって、「ロー・アンド・カンパニー」という政府認定の王立銀行を作ったんだぺぺ。

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これはフランス宮廷が正式に認めた国立の銀行であり、今でいう国の中央銀行のようなものだったぺぺ。(日本銀行、FRB、ECB・・・などなど)

※正確には正式に王立銀行となったのは少しだけ後ですぺぺ。

さらにローは・・・

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通貨(お金)として金貨や銀貨を使うのではなく、「ローが発行した王立銀行券(おうりつぎんこうけん)という紙幣(しへい)」を通貨として使うことを提案して、摂政はこれを許可したんだぺぺ!

ちょっと話が難しくなってきたので、図解するぺぺ!

ジョン・ローが最も偉大な金融家と呼ばれるキッカケとなった、自ら設立した王立銀行でやったこと

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ローはまず、当時のお金であった金貨と銀貨などをローの王立銀行に預けると、その金貨や銀貨を預かりましたよ〜という証明書として、銀行券という証券を発行して渡すことにしたんだぺぺ。

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このローが発行した銀行券は、宮廷の許可で納税もできることから、すぐに一般国民も買い物で使うようになってきたんだぺぺ。

この時期、金貨や銀貨などの硬貨は摂政のせいで、翌日には1/6も価値が減っているというようなことが平気であった状態で、ローの証券は発行時の価値を維持してたんだぺぺ。

それだけではなく、金貨や銀貨などの正貨(せいか)の1%高い値段で買われるようになっていたんだぺぺ。

これはすごいことだぺぺ!国王のルイ15世が正式なお金としている金貨や銀貨よりも、価値があるとみんなに信じてもらえたんだぺぺ!

よっぽど国民がうんざりしてたってことなんだろうなぁ・・・とペペラ思ったぺぺ。

そんなこんなで、みんなは喜んでローの証券をお金として使ったんだぺぺ。さらにすごいことに・・・

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ピーク時には、なんと正貨である金&銀貨よりも15%のプレミアム価格で取引されるようになったんだぺぺ!

ローの銀行券は金貨と銀貨の引換証(ひきかえしょう)にしか過ぎないにもかかわらず、実際の金貨と銀貨よりも高値がついたことが人気の凄さを物語ってるぺぺ・・・

15%のプレミアム価格がついていたということは、例えば100g分の金貨=100円だとすると、100円分の金貨と交換できる引換券が、115円分の金貨を出さないと手に入らなかったということなんだぺぺ!

ローの銀行券が人気になる一方で・・・

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この時期ルイ15世の金貨と銀貨の人気が落ちただけでなく、ルイ15世がお金を借りたという証明書の国債価格(こくさいかかく)は78、5%も値下がりしてたんだぺぺ・・・

すごく雑に言うと、ルイ15世に100万円お金を貸して、さらに利息を受け取る権利の証券が100万円どころか、21.5万円でしか欲しい人が出てこなかったということなんだぺぺ!

これは、当時誰もルイ15世がお金を返してくれるとは思っていなかったという証拠なんだぺぺ。

これはしびれちゃうぺぺね・・・

(あまりに純度を薄められることから)国民からは金&銀貨は信用されておらず、お店で何かを買い物するのも大変なくらい混乱していた一般市民の生活は、ローの銀行券のおかげで正常に戻ったんだぺぺ!

そんなこんなで・・・

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ジョン・ローはルイ15世や宮廷だけではなく、国民からも敬愛される財政家としてその名を知られるようになったんだぺぺ!

それをきっかけにジョン・ローは前から温めていた計画を実行することにしたんだぺぺ

それが・・・

動き出したジョン・ローのミシシッピ計画

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ミシシッピ計画なんだぺぺ!

ローは、自分のいうことにノーと言えなくなったルイ15世や摂政に、ミシシッピ会社という「アメリカのルイジアナ州との独占貿易権」を有する会社設立を提案したんだぺぺ。

当時フランスの植民地であった今のアメリカのミシシッピという場所に、びっくりするくらいの大量の金銀財宝(きんぎんざいほう)が埋まっており、さらに異国と貿易することで莫大な利益が見込めるとローは宮廷に熱く語ったんだぺぺ!

とにかくお金がなくて困っていたルイ15世を始めとする宮廷は、ローにミシシッピとの貿易権(ぼうえきけん)を政府から正式に独占付与(どくせんふよ)された会社として、ミシシッピ会社が作る許可(きょか)を与えたんだぺぺ!。

当時、国民も宮廷も本当にお金がなかったので、このアイディアはと〜っても魅力的に聞こえて、ルイ15世もGOサインを出したんだぺぺ!

でも・・・

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実はジョン・ロー、最初は国民の人が持っている金貨と銀貨以上の銀行券は発行してはいけないと固く禁じてたんだぺぺ。

ただ、ルイ14世時代の放漫財政(ほうまんざいせい)による財源不足から、実際は正貨になりつつあるローの銀行券を発行しろというルイ15世や摂政から圧力が凄まじく、いつの間にか金貨と銀貨以上の銀行券を発行してしまってたんだぺぺ・・・

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これだと銀行券を持つ人全員が、銀行券と金貨の交換に来た瞬間にと〜ってもまずいことになるぺぺ・・・

なぜなら、金貨と銀貨の引換証であるはずの銀行券の数のほうが、実際に保管してある金貨と銀貨よりも全然多くなってしまったからなんだぺぺ!

その上、国の借金も膨らんでいたし、これも返していかないといけない・・・

さあ・・・どうしよう・・・

ということで、、ローが考えだしたのが「ミシシッピ計画」だったんだぺぺ!

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ジョン・ローは「夢がいっぱい詰まったミシシッピ会社の株」を、宝クジのように一般国民に向けて販売することにしたんだぺぺ!

さらにミシシッピとの独占貿易権だけではなく、ローは宮廷から毎日のように特権をもらって、最終的には

  • タバコの専売権(せんばいけん)
  • 正貨である金銀の独占精錬(どくせんせいれん)権
  • 紙幣を作る造幣局(ぞうへいきょく)
  • 税金を取り立てる徴税会社(ちょうぜいかいしゃ)
  • そしてローアンドカンパニーこと王立銀行

をミシシッピ会社の傘下に治めたんだぺぺ!

ちなみに、ミシシッピに金銀財宝があるとか、他の国との貿易ですごいお金が儲かるとローが熱弁したことには、何の根拠もなかったんだぺぺ・・・

国民や宮廷は、ローがすごい人だと信じていたため、この夢物語を信じたんだぺぺ!

ところでミシシッピ会社の株を売り出してローが何をしたかったのか不思議じゃないぺぺ?

・・・

・・・

不思議だと思うので、ちょっと図解していくことにするぺぺ!

金融史における悪名高いミシシッピスキームの仕組み

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ローは、国が抱えるあまりの借金の多さに悩んでいたんだったぺぺ。

そこでローは、国債(国にお金を貸している証明書)を持つ人に「ミシシッピ会社の株を国債」で売ることで、みんなが持っている国債とミシシッピ株を交換しようと目論(もくろ)んだんだぺぺ!

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ミシシッピ株を国民が、すでに持っている国債でミシシッピ株を買ってくれれば、国民が持つ国債の数は減り、国の借金もあっという間に解消できるのでは?と考えたんだぺぺ!

国にお金を貸しているという証明書の国債を、お金を返す義務も何もない「夢がぎっしり詰まったミシシッピ株」と交換するからなんだぺぺ!

つまり、国にお金を貸している人に「(お金を返せないから)お金を返す代わりにミシシッピ会社をあげます」という「国債とミシシッピ会社の株の交換」を成功させたんだぺぺ!

ちなみにこのミシシッピ会社の株・・・大ヒットになったんだぺぺ!

そこで・・・

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ジョン・ローは、みんながそんなに株を欲しがるなら、株の数をもっと増やして売ってしまえば良いと考えたんだぺぺ!

繰り返しになるけど、この時点でミシシッピ会社にはなんの売り上げや活動はなく、実質ただのペーパーカンパニーだったんだぺぺ・・・

その上、ミシシッピに金銀が眠っていること、貿易で儲かるということは何もわかっておらず、あくまでもジョン・ローがそうなのではないか?と言っただけという状態だったんだぺぺ・・・

にもかかわらず、ミシシッピ株を欲しがる人の数は凄まじかったんだぺぺ!

ミシシッピ会社の株価は跳ね上がって、最初に売りに出した株だけだと、欲しい人が多すぎて全然足りなくなっちゃったんだぺぺ。

なので、もっと株の枚数を増やせば、みんながハッピーになれると考えてどんどん株を発行していったんだぺぺ!

ただそれだけならまだよかったんだけど、株を銀行券での分割払いOKのローン販売。さらにすでに株をもってる人相手に株を担保にお金を貸すことまでしてしまったんだぺぺ!

これによって、

1,ミシシッピ株価があがるほど、銀行券の発行数が増える(株価が上がった分だけ融資できる金額が増えるので発行銀行券の数が増える。銀行券の価値の裏付けとなる硬貨の量は変わらない。)

2,さらに国民中がミシシッピ株を売買することに夢中になっており、株は買った瞬間に値上がりする状態だった。お金を手に入れた瞬間に「お金を借りてほかの人が持っているミシシッピ株を買う」ので、銀行券の発行数が増えるほど、株価が上がる

3,株価が上がるほど、ミシシッピ株を新しく発行した時、国の借金を減らすことができる(株価が100円の時は、国債100円分と交換。株価が200円なら、国債200円分を回収できる)

という株価が上がるほど国民も政府もハッピーハッピーという仕組みが出来上がってしまったんだぺぺ。

ジョン・ローはもともと銀行券の発行量と、王立銀行に保管してある硬貨の量を近づけようと摂政に忠告していたんだけど(みんなが銀行券→金貨と銀貨の交換に来られると応じられないから)、ミシシッピ会社の株価が上がれば上がるほど、(株を担保にした融資で銀行券の発行量も増えるので)銀行券の発行量を増やさざるをえない仕組みにしてしまったんだぺぺ・・・

そんなこんなで・・・

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ミシシッピ会社の株価はどどーんと上がっていったんだぺぺ!国中がミシシッピ会社株に熱中したんだぺぺ!

ミシシッピ株の売り出し当初1719年に500リーブルだった株価が、1720年頭には10,000リーブルとなんと20倍にも跳ね上がって行ったんだぺぺ!

 

ルイ14世の重税と戦争で苦しんだ時代に比べると、あまりにもローのおかげでフランスの景気や暮らしが良くなったものだから、ローは国王を超える英雄になっていただんぺぺ!

世界3大バブルの一つと数えられているだけあって、このミシシッピ株のバブルっぷりは凄まじかったんだぺぺ!

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貧乏人から、国の役人&お金持ちまで株の売買に関わっていない人はいなくなっていたぺぺ。なにせ神父さんまでもがミシシッピ株に密かに夢中になっていたくらいなんだぺぺ!

ローの自宅のあるカンポワ通りという場所は連日何千人もの群衆がやってきて押し合いへし合いをするような状態だったぺぺ。ローの自宅には、ローからミシシッピ株を売ってもらうための行列が連日できて、周辺の不動産価格は跳ね上がったんだぺぺ。

カンポワ通りは相場師のたまり場になり、事故や事件がいっぱい起きたんだぺぺ。その上、群衆目当てに泥棒や乱暴者がよってきて、連日兵隊さんも送り込まれたりで暴動状態だったんだぺぺ。

ミシシッピ株を買うために、大量の現金を持ち歩く人が増え、彼らを狙った殺人事件や強盗事件が相次いだんだぺぺ。

あまりに連日、大衆が押し寄せてくるので、ローは、こんな状況にうんざりして引っ越したんだけど、引越し先もすぐに同じ状態になっちゃんたぺぺ・・・

ちなみにこのミシシッピバブルの最中、ローの住んでいたカンポワ通りの家賃は年間1000リーブル程度だったのが、なんと1万2000〜1万6000リーブルという10倍以上に跳ね上がり、靴屋さんなどは、靴屋をたたんで相場師の人たちに家を貸し出してたみたいだぺぺ!

すごかったのはそれだけじゃないんだぺぺ!

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首都のパリでは、かつてないほど豪華なオブジェがあふれていて、彫刻や絵画、タペストリーが海外から輸入され、あっという間に完売してたんだぺぺ。豪華な家具屋装飾品も、代々お金持ちの貴族だけではなく、普通の商人や中流階級の家でも普通に見られるようになるほどすさまじい景気だったんだぺぺ。

フランス人だけではなく、ローのミシシッピ株は海外でも有名になり、株を買うために外国からわざわざフランスまで多くの人がやってきたんだぺぺ。

フランスにやって来た外国人はいっぱいお金を使ってくれたので、フランス国内で、豪華な服やその生地、パン屋肉野菜などの食料品の価格までとんでもなく上がったんだぺぺ!

それに釣られて、フランス国内で働く人のお給料だけではなく、フランス全土の住宅価格も上がり建築ラッシュを迎えたんだぺぺ。

1720年まではこのシステムもとっても上手くいってたんだぺぺ!

株価が上がる限り、国の借金は無くなっていくし、それにつれて流通する銀行券の量も増えていき、みんながお金持ちの状態になってハッピーハッピーだったんだぺぺ!

この時は過剰(かじょう)に紙幣を増刷(ぞうさつ)すれば、国はいずれ破産に追い込まれるという高等法院の警告も無視されてたんだぺぺ。

※高等法院(こうとうほういん:当時のフランスの司法を司っていた機関。司法以外の制作にも大きな影響力を持っていた)

摂政は、紙幣を刷ってこれだけ良い影響をもたらしたのだから、刷れば刷るほど良いと考えていたし、それをローも止めなかったぺぺ。

そんなこんなで、ミシシッピ会社の株価が上がるたびに紙幣も増刷されたんだぺぺ。

ついにその日が・・・

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1720年の初頭・・・ミシシッピ会社の新株購入を断られたある貴族がローに怒って、持っていた銀行券や国債などの証券をローの銀行ですべて金貨や銀貨に換金(かんきん)してしまったんだぺぺ・・

ローはこのことを摂政に文句を言って、正貨(金貨や銀貨)の3分の2をローの銀行に戻すように命令を出したんだぺぺ。

でも、まもなく株を買えなかったローを憎む人や、もともとありえないほどの株価上昇に不信感(ふしんかん)をもっていた株式の仲買人(なかがいにん)などが、ローの銀行券やミシシッピ株をせっせと正貨(金貨や銀貨)に変えて海外に持ち出すようになったんだぺぺ。

それまでは、ローの銀行券と金貨&銀貨の交換に困ることなんて全くなかったんだぺぺ。だけど、普通の市民までもが、これがずっと続けば金貨と銀貨が不足することにみんな気がつき出したようで、金貨と銀貨に自由に交換できないことにあちらこちらから不満の声が上がるようになったんだぺぺ・・・

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そしてローはついに正貨である硬貨の価値を紙幣よりも5%切り下げることを発表したんだぺぺ・・・

それでも多くの人が紙幣を金貨や銀貨に交換しようとするので、今度はさらに10%硬貨の価値を切り下げたんだぺぺ。

つまり銀行券一枚で交換してくれる金&銀貨の量を少なくしたということなんだぺぺ。

それでも銀行券を交換する人が絶たなかったので、銀行での紙幣→硬貨への交換も厳しく制限したんだぺぺ。

つまり、正貨である金貨や銀貨との引換券であるローの銀行券を王立銀行に持って行っても、金貨や銀貨が手に入らなくなってしまったということなんだぺぺ!(なぜなら銀行の金庫には、すべての引換券と交換出来るだけの金貨や銀貨がないから)

一般の人も、金&銀貨の預かり証であったローの銀行を持っていても硬貨と交換できないと知って、手元にある金貨と銀貨を、イングランドやオランダにこっそり運び出したり、家の中に隠すようにしたんだぺぺ。

こうして硬貨が足りなくなってきた上に、誰もローの銀行券を受け取ろうとしないので商業活動にも問題が出てきてしまったんだぺぺ・・・

1720年5月、ローはこれを見て、ついに「正貨である金貨や銀貨の使用を完全に禁止」にしてしまったんだぺぺ。ローの銀行券の信用を回復させるためにこの命令を出したんだけど、このせいで、いよいよ誰も銀行券で物を買うことができなくなってしまったんだぺぺ。

モノを買おうと思っても、お店が銀行券を受け取ってくれないくらい信用がなくなっちゃったんだぺぺ。さらに国民が金貨や銀貨で500リーブル以上持っていると、法律違反扱いにされるわでとっても大変だったんだぺぺ。

そんなこんな大混乱が起きる中・・・

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天高く上っていたミシシッピの株価は暴落・・・・

1719年には10000リーブルあったミシシッピ株価が、なんと売り出し価格だった500リーブル以下まで暴落してしまったんだぺぺ・・・

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※青線がミシシッピ株価

画像引用:http://www.henrythornton.com/blog.asp?blog_id=1741

わずか半年〜1年で株価が20分の1とかになってしまったんだぺぺ!これはしびれちゃうぺぺ・・・

バブルがはじけて、ミシシッピ株を買っていた国民の生活はどん底に落ちちゃったんだぺぺ・・・

何せ国中の人が借金をして株を買っていたので、全財産を失うばかりか、借金だけ残る人がいっぱい出てきてしまったんだぺぺ・・・

その上、お金であるローの銀行券を持っていても買い物も満足にできないし、銀行に行っても正貨である金貨や銀貨とも交換できない状態だったので、国中が大混乱だったんだぺぺ。

政府はついに最終手段に!あんなことや、こんなことを・・・

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暴落するミシシッピ株価を支えようと、政府は最終手段に出たんだぺぺ。

「ミシシッピ計画が本当にあるんだぞ!」ということを見せつけるために、パリに住むお金のない下流層や貧民層を6000人を無理やり集め、徴兵命令(ちょうへいめいれい)を出したんだぺぺ!

さらに、彼らに金鉱で働かせるための作業服と道具を持たせ、ミシシッピ行きの船に無理やり乗せてアメリカに作業員として送り込んだんぺぺ。

彼らの2/3はひっそり脱出したり逃げたりしてフランス国内の田舎で支給された道具を売り払って元の貧乏な生活を送ったんだぺぺ。

残りの1/3の人々が、3週間後にはフランスに戻ってきたのをきっかけにミシシッピ計画が実は本当なんじゃないかと信じる人が出てきて、ミシシッピ株価はちょっとだけ上がったんだぺぺ。だけど、信じ続ける人は少なく、結局株価はその後も下がり続けてしまったんだぺぺ・・・

最終的にきちんと計算してみたら、流通していたローの銀行券の量は、「正貨である金貨や銀貨の2倍以上の量」になっていたんだぺぺ・・・

もともとは、「正貨である金貨と銀貨と紙幣(ローの銀行券)の流通量を同じにすることが極めて大事」だと主張していたローが、お金に困る政府や国民の雰囲気に流され、預かった金貨と銀貨の2倍もの紙幣を発行してしまったのが怖いところだぺぺ・・・

1720年の2月、ついにローの王立銀行は紙幣と正貨の交換を完全に停止したんだぺぺ・・・

事態はどのように収束していったの?

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ルイ15世と摂政は、ローが作った王立銀行の収益をローの手から取り上げて、銀行券の価値を無理やり半分にしたんだぺぺ。

ミシシッピ会社は、株価が暴落&ローの銀行券のシステムが壊れてしまった1721年に倒産。1722年に会社を一から作り直して再スタート、翌年の1723にはルイ15世からタバコやコーヒーの専売権や、国発行の宝くじを催行する権利を与えてもらい復活を遂げたぺぺ。

財務に関する会議で、摂政が呼ばれると、自分たちがローに銀行券を刷るようにさんざん圧力をかけたにも関わらず、全てをローに責任転嫁。そのままローはすべての責任を押し付けられる形で財務省をクビに。

国民はローに怒り狂っており、ローは常に身の危険がある状態だったので、摂政の助けで海外に亡命(お世話になったローに裏では優しかった)。さらに、ローはすべての財産を国に没収されたんだぺぺ・・・

ちなみに、ローはミシシッピ計画でフランスがヨーロッパ一の富裕国になることを最後まで信じていたんだぺぺ・・・・その証拠に、ローは他の汚職にまみれた役人と違い自分の財産を海外に移したりすることはせず、全財産をフランス国内に投資してたみたいだぺぺ・・・

なので、フランスから出て行く時は本当に無一文だったみたいだぺぺ。

その後は、フランスに呼び戻されることを期待しながら、ギャンブラー生活を再スタート。その後はイギリスに住み、ベネチアに渡り、多額の借金を抱えて1729年にこの世を去ったぺぺ・・・

ローの墓標にはこう記されてるぺぺ

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高名なるスコットランド人

計算高さでは天下一品

わけのわからぬ法則で

フランスを病院に送った

※狂気とバブル第一章より引用

当時は詐欺師の極悪人としてヨーロッパ中に知られていたジョン・ローも、現代においては近代金融の概念を作った偉大な金融家として知られているぺぺ・・・

悪かったのは

ジョン・ローなのか・・・

放漫財政(ほうまんざいせい)を続けた歴代ルイのせいなのか・・・

腐敗や不正にまみれた政府だったのか・・・

実態がないにもかかわらず株の売買に夢中になった一般国民なのか・・・

それとも絶対王政という政治体制のせいなのか・・・

間違いなく言えるのは、歴代ルイとジョン・ローは私腹を肥やすためではなく、純粋に国民を幸せにするために行動していたということなんだぺぺ・・・

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その後もフランス政府の腐敗や放漫財政は無くなること続き、

ミシシッピ計画破綻から約60年後、

ついにフランス革命により、絶対王政という長年続いた社会制度がフランスで幕を閉じることとなる

しかし、ジョン・ローによるミシシッピ計画により大きく動いたのはフランス国内だけではなかった・・・

時を同じくして、ミシシッピバブルと連動するようにイギリスではかつてないほどのバブルが起きていた・・・

 

ということで次回は、金融史における3大バブルとして数えられる南海泡沫事件を体験していきますぺぺ!

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◀︎第0話:とっても賢いアリとバッタの「信じられない集団行動」

▶︎ 第2話:南海泡沫事件(南海バブル)編

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